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第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

絶大な信用を寄せているもの。

おりんママ

 

 もう何年も前の事。
 がんであと数カ月の命、という余命宣告を受けた女性が、食生活を改善した事でがん細胞が沈静化してしまった、という内容の本を読んだ。その中で「喉に違和感を感じる時には、はちみつを食べるようにしている」と書いてあった。はちみつが喉のバイキンを絡め取って胃に落とし込み、それを胃液が消化してくれるというのだ。これを読んだ時「体ってスゴイ!」と感心したのを覚えている。
 それからというもの、はちみつの効果、効能に絶大な信用を寄せるようになり、朝に夜にと、はちみつを口にするようになった。もちろん、喉に異変を感じたら、いつもより多めに食べるようにしている。
 はちみつの瓶を抱えて大きめのスプーンで何杯もはちみつを食べる姿はまるで、くまのプーさんを思わせる、と言いたいところだが、残念ながらそんなに可愛らしいものではない。 
 だが、そのお陰もあってか、ここ何年も風邪をひいていない。
 こうして私にとってはちみつは『風邪をひかない為のお守り』となった。
 思い返せば子供の頃、母がレモンのはちみつ漬けを作ったことがあった。
 レモンをスライスしてはちみつに漬けるという、あれだ。初めて食べた時は美味しくて、姉と二人であっという間に食べてしまい、母に叱られたものだ。
 はちみつの思い出で最初に浮かんできたのはそれだった。
 天然のはちみつは、賞味期限も長く、味も格別だったりする。そういった物は、価格も少しお高めだが、あんなに小さいミツバチ達が、あっちからこっちから集めて来た事を考えると、当然の価格なのかもしれない。
 あまりにも安い価格では、ミツバチ達も浮かばれないだろう。
 いつも安いはちみつを購入している立場から言わせて頂くと、できればはちみつの効果、効能に対して、価格は関係ない事を願いたい。

 

(完)

 

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