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第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

はちみつ作り頑張ってね

春木美子

 

 6年前、病気を患い臥床生活をしていました。回復を祈りながらの毎日。
 食欲はなく、少しのおかゆを食し、蜂蜜をお湯で溶かして飲んでいました。
 ある日、古い手帳を取り出して、めくってみました。  
 元気で働いていた頃の、同僚の名前が、たくさん書いてあり、懐かしさで、胸が震える思いでした。みんな、どうされているだろう。何かに背中を押されるようにして、同じ様な年頃の子供を育てていた、同僚に手紙を書きました。その人とは、子供を預けたり、預かって、協力し合いながらの仲間でした。が、4人目を出産すると、退職されました。
 長い間、連絡して居なかったのですが、一番会いたい人でした。
 同僚は、手紙が届くとすぐに電話をくれました。何一つ変わらない、声、話し方、嬉しくて、涙ぐみました。蜂蜜は食べれるのね、と聞いてきました。体が受付けるのは、蜂蜜よ。と言うと、「2女が、蜂蜜を作って、販売してるのよ。送るから、食べてみてね」その言葉には、驚きました。
 自宅の蓮華畑から、蜂蜜を作り、販売してると話されました。蜂蜜屋さんになったのよ。蜂蜜の作り方を、微塵も知らない私には、ただただ驚くばかりでした。
 回復したら、蜂蜜作りを、見にきてね。と明るい声で、言われました。
 届いた蜂蜜は、幾種類もありました。苦労して作っているのだろうなという思いが湧き、勿体ないと、空になったガラス瓶にお湯を入れて、飲みました。
 なめらかな、自然の甘さの蜂蜜。尊い蜂蜜を口にしていると、薄皮を剥がすように、病気が消えていくような気がしました。
 蜂蜜の威力。今は、元気に暮らしています。頑張って皆さんに、愛される蜂蜜を作って下さい。ありがとうございました。

 

(完)

 

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