はちみつ家　>　蜂蜜エッセイ

蜂蜜でアトピーも脂肪肝も改善

笑う希望

　私はアレルギー科の医師である。重症アトピーの小学生の女の子Ｍさんが受診した。かゆみが強く、体中にかき傷がある。今まで血液検査では何もアレルギーは見つからず、外用剤で治療してきたが、改善せず他府県から受診した。甘い物が大好きである。血液検査より正確な皮膚を使ったアレルギー検査で、カンジダ、チョコレート、ココアが陽性であった。当時は超音波検査も手軽に出来る病院に勤務していたので、脂肪肝を疑って検査をすると、脂肪肝があった。
　甘い物でカンジダは陽性になり、チョコレートとココアはよく摂取しているので陽性になり、かゆみが出る。また脂肪も蓄積され、血液検査では肝機能には異常が無くても、超音波検査で脂肪肝が見つかる。改善には甘い物を制限する必要がある。母親は娘の脂肪肝に驚いていたが、食生活で改善すると説明し安心された。母親はそこで了解したが、Ｍさんが甘い物は辞められないと納得しない。そこで蜂蜜なら甘いが脂肪肝も悪化せず、カンジダアレルギーにも影響しないので、蜂蜜の摂取でしてようやく了解した。ちなみに蜂蜜は抗アレルギー作用もあり、アトピーには良い。当院のアトピーの治療は内服とカバーで、外用薬は皮膚の回復が遅れるので基本的には使用しない。そのかわり悪化時は入浴を３日に１回シャワーにする。それを説明して食生活を頑張ってくれるように激励した。
　再診時、痒みも軽減し皮膚症状は著明に改善していた。良い蜂蜜と出会って1日３回摂取して、甘い物は辞めているという。皮膚症状が改善してＭさんも母親も喜んでいたが、他にも健康への効果はあった。今まで便秘であったが、蜂蜜を摂取してから便秘が改善した。夜も不眠であったが今は快眠。野菜も嫌いであったが今は美味しい。疲れやすかったのも改善した。実は不登校であったと、告白してくれた。でも今は学校へ行くのが楽しいと。好循環である。このまま治療と蜂蜜摂取を続け、数ヶ月後には内服が不要になった。急速な改善である。その後、アレルギーの検査をするとカンジダ、チコレート、ココアは全て陰性になっていた。更に超音波検査では脂肪肝が改善していた。そこでチョコレートやココアを少量なら摂取可能と言うと、「蜂蜜が美味しいので、もうチョコレートとココアはいりません。」と明るく言い、傍で母親も微笑んでいた。

（完）