皆川まな
温暖化のせいか、はたまた過疎化のせいかよくわからないのだが、最近、熊出没のニュースを聞かない日はない。熊出没地帯の住民の不安とか恐怖はいかばかりのものかと思うのだが、熊の駆除が行われると抗議をする人がいるという。駆除はかわいそうだというのが主な理由であり、そうした人々に言わせると、熊は本来おとなしい動物であり、人間を怖がる生き物なのだという。抗議する人のほとんどが遠方の都市住民で、こうした人々の熊のイメージというものは、蜂蜜が大好きな熊のプーさんのイメージによるところが大きいのかもしれない。もちろん大人であれば熊のプーさんが童話であり、実際の熊の生態とは関係ないことは理解しているのだが、蜂蜜大好きという点については実際の熊も同じだと思っている人が多い。この蜂蜜大好きというイメージから、熊は本来草食でおとなしい動物という連想になっていく。この熊さんの蜂蜜好きであるが、実際はどうなのだろうか。ネットでいろいろな情報を見てみると、たしかに熊は蜂蜜を食べるらしいことは間違いないし、蜂の巣を襲うこともそのとおりだ。人間と違い、熊の皮膚は固く、蜂の針ではびくともしない。ただし、その蜂の巣を襲うのは、特に蜂蜜を好むわけではなく、巣にいる蜂の子を狙っているという説もある。蜂蜜と蜂の子とどちらが好きかは熊に聞いてみないとわからないが、どうも、食いでのある蜂の子を狙っているという方に信憑性がありそうだ。 熊は草食というよりも雑食であり、生きた動物も食べる。
熊が蜂蜜大好きというのがどうも怪しいとなると、蜂蜜をもっとも好む生き物は人間なのかもしれない。これには蜂蜜がおいしいということもあるが、それ以外の蜂蜜の効用もある。子供の頃に聞いた話で、女王蜂は働き蜂よりもはるかに長生きをするが、それはローヤルゼリーの効果であり、そのローヤルゼリーが含まれているものが蜂蜜であるというものがあった。長生き効果があるかどうかはともかくとして、蜂蜜に疲労回復効果があることは間違いないように思う。疲れた時に甘いものが欲しくなるものだが、そうした甘いものの中でも、蜂蜜を食べると元気が回復するようだし、なんとなく気分が鬱屈してやる気がおきないようなときには蜂蜜をヨーグルトなどにのせて食べると効果抜群である。もしかしたら熊のプーさんの話を書いた人も、蜂蜜が大好きだったので、蜂蜜好きの主人公を創造したのかもしれない。
(完)
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